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#3 経営者に求められる機能②

今回は、前回に続き、経営者に求められる機能について、記事を書きます。

前回の記事をざっと振り返りますと、経営者には①CIO機能と②CMO機能が必要であるという結論に対し、「①CIO機能とは何か」を詳述しました。ですので、今回は「②CMO機能とは何か」を説明します。

 

CMO機能とは何か

「自社の組織としての存在意義や自身が抱える業務について、明確な意義を見出し、それを社内外に伝達する機能」と定義します。

 

CMOとは、Chief Meaning Officerの略であり、日本語では「意義を見出す最高責任者」となります。本表現は、『ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA』という書籍で用いられており、非常に共感したので、恐縮ながらそのまま使用しています。ただ、ジャック・ウェルチの考えを私なりに解釈・アレンジしておりますので、その辺りはご留意頂きたく思います。

さて、CMOについて、もう少し詳細に説明しましょう。よく「仕事の目的は何か?を意識して取り組もう」といったことが、様々なビジネス書で主張されており、CMOというのも本質的には同一と考えていただいて問題ありません。

すなわち、「何のために当社は存在しているのか?」「何のためにこの業務を行うのか?」という意味付けをするべきであるということです。

「当たり前じゃないか」と思われるこの考え方をあえて説明しているのは、さらに深いレベルで意味付けを実践していただきたいという思いからです。

私の見立てでは、現状の多くの組織において、自身が置かれているポジションでの意味付けは実行されるものの、上位または下位のレベルで意味付けされることは少ないのではないかと考えています。

しかし、もっと広範に捉えることで、組織は活性化され、そこに属する人々もモチベーションを高くして業務にあたることができると考えています。本記事では「経営者に求められる機能」という文脈でCMO機能を説明していますので、経営者視点で意味付けを考えていきましょう。

経営者にとっては、「なぜ当社は世に存在するべきなのか?」「どのような価値を社会に提供するべきなのか?」といった問いが主な意味付けの対象であると理解しています。これらの問いに対する答えを、ビジョンや社長メッセージのような形で社会に発信しています。

多くの企業で行われている一方、欠けているのではないかと思われる視点として、「変化が生じた後の未来社会を描いた意味付けがなされているか?」「社員が自身の業務との紐付けをできる粒度で意味付けがなされているか?」といったことが挙げられます。

前者は、ともすれば過去の経緯を踏まえ、過去に失敗があったことを認めたくないが故に、過去を基点とした意味付けばかりがなされてしまうことへの警鐘です。勿論、過去の経緯を踏まえることは重要ですが、同様に未来への洞察も重要です。

後者は、ともすれば抽象的で耳触りの良い表現ばかりに終始しそうな意味付けを、社員が噛み砕けるように、共感して業務遂行時に意識できるように、きちんと練り上げていこうという意味です。

 

上記では、経営者を例に挙げて説明していますが、部長・課長・平社員レベルでも考え方は同様です。平社員であれば、「自身の業務にはどのような意味があるか?」を考えることは当たり前ですが、「この組織にとってどのような意味があるか、またはどのような意味を持たせられるか?」まで考えるべきですし、より高い視点を持つのであれば、「この業務は、どのような社会を実現することに繋がるのか?」まで考えられると良いと思います。また、当然のことながら、会社に属さない方々にも通じる考え方です。

 

ぜひ、世の経営者の方々をはじめ、あらゆる組織で働く人々、組織に属さない働き方をしている人々にも、CMO機能を発揮していただきたいと思っています。

 

今回もお読み頂き、ありがとうございました。「経営者に求められる機能」については、前回・今回で一旦終了となります。経営者に対しては様々に思うところがありますので、また書きたいと思います。